学力は掛け算で表わしますので、基本的には学習量に比例します。毎日1時間勉強するよりも2時間勉強した方が学力は2倍伸びるわけです。そして、学習量(時間)だけは自分で決定することが可能です。時間だけは誰にも等しく1日二十四時間が与えられています。それをどう使うかというのは自分次第です。
これも受験生を例に挙げると、合否をすごく心配する子がいます。塾の先生に毎日のように「私、○○高校受かるかなあ」と聞いてきます。ご両親も心配して聞いてきます。「息子は今の成績で大丈夫でしょうか」。心配する気持ち、安心がほしい気持ちは本当によく分かります。しかし、そんな心配を続けていても何の解決にもなりません。それどころか、前述のように焦って学習効果を低下させるだけです。合否というのは言葉の問題で言えば2つに1つです。それも、自分で決められることではなく相手が決めることです。相手が決めることは相手に預けてしまいましょう。しかし、受験までの時間をどう使うか。これは相手が決めることではなく、自分でしか決められないことです。1日に2時間勉強するのか、3時間するのか。次の定期テストに向けて総計何時間の学習に取り組むのか。それを計画し、しっかりと実行することが、結果として学力を向上させる一番の方法なのです。
よく生徒から、あるいはお母さんから質問されることに「勉強のコツ」というのがあります。そうした場合、質問者の胸の内は「ほんの少しの勉強で良い点を取る方法を知りたい」と考えていることがほとんどです。残念ながら、勉強においてそんな魔法のような方法はありません。「学問に王道なし」という言葉があるように、愚直に努力する者が真の勝利者になるのです。まずは充分な学習量を確保してください。具体的な学習量については個別差がありますが、標準的な必要学習量(家庭学習量:塾も含む)は次の通りです。
中1・中2=週十一時間 中3=週十六時間