近年、個別指導の主流になりつつあるのがタブレット学習である。以前と違い、AIを活用した解説とカリキュラム構築の性能が向上し、教材としては優秀で申し分ないと言ってもいいだろう。このタブレットを使用する自立型の個別指導塾も増えている。しかし当塾は、その利用をしないと決めている。
なぜか、まず、いかに優れたタブレット教材でも絶対に不可能なことがある。それは、生徒のモチベーション(学習意欲)を向上させること。人のモチベーションを向上させることができるのは、「人」にだけ与えられた能力である。それは、いかに科学が進歩したとしても超えられない領域である。当塾は、生身の講師が傍に寄り添い、常に生徒のモチベーションアップに気を配る指導をしている。いかに優れたマシーン(AI)を提供しても、生徒自らが学ぶ意欲を持たなければ、それは単なる玩具にすぎない。
映像教材を提供する大手予備校の教室では、勝手に流れる映像の中で居眠りをする、ペンをクルクルと回している生徒の、何と多いことか。貴重な時間を無駄にしているとしか言いようがない。
もう1つ重要な理由がある。人としての成長に関わる問題だ。当塾の講師たちはタブレット教材に比べ拙く、生徒のノートに描く図も正確ではない。しかし彼らは、生徒のために一所懸命に指導をしている。解りやすい説明をするため、予習や教材作りに知恵をしぼり汗をかいている。そうした「自分のために必死になってくれる人」との関わりの中で、人は成長すると考えている。ボタン1つで最適解を表示するタブレットといくら触れ合っても、それが生徒の成長を促すことはない。当塾は学習指導を通して、生徒の「人としての成長」も望んでいる。
