だから個別指導塾が一番【4】個別指導塾は子どもの行動を注視する

個別指導塾の良さはそれだけに留まりません。我々は常に生徒の目の前に存在しています。勉強している姿を間近で見ています。宿題を通して家庭学習の様子も把握しています。これは、集団指導塾では絶対にできないことです。集団指導塾では日頃の学習態度を一人ひとり把握することができないため、結果(成績)で生徒を評価することになります。大手塾を中心に「今年も○○高校△△名合格!」とアピールしているのは、その証です。しかし個別指導塾は、結果はもちろんですが、その過程にも充分に注視しています。

人はbeing(存在)、doing(行動)、having(結果)で成り立っています。例えば「あなたの中2の子ども(存在)が一生懸命勉強して(行動)テストで一〇〇点を取った(結果)」というように。すると、どうしても周りの評価は結果に集中します。「一〇〇点なんてスゴイね~」と。もちろん、一〇〇点取ったことは褒めて良いのですが、次の場合はどうでしょう。

あなたの中2の子どもが一生懸命勉強したけれども六〇点だった。

多くの大人が、結果の六〇点だけを見て「もっと頑張りなさい」と言ってしまいます。本人は本当に一生懸命勉強したにも関わらず、です。これでは次も頑張ろうという意欲を失くしてしまいます。結果が重要だというのは正しいと思います。しかし、前述した「成長の原則」を思い出してください。努力と結果は(「あくまでも短期的に見て」ですが)比例しないことの方が多いのです。重要なことは、子どもが諦めずに努力を続けることです。そうでなければ、本当の成長はありません。ところが大人の心無い(無意識の)一言で、その芽を摘んでしまっていることの何と多いことか。集団指導塾では、指導する生徒が多いので普段の学習態度まで目が行き届きません。そのため、どうしても結果で生徒を評価してしまいます。

個別指導塾は違います。目の前にいるのは1人の生徒です。勉強態度もじっくりと観察しています。ノートやワークの書き込みを見て、家庭学習の様子も把握しています。つまり、生徒一人ひとりの「行動」を知っているのです。我々が生徒にかける言葉の大半は、「よく頑張っているね!」「昨日も自習室で勉強していたんだって?」「すごい、以前よりノートのとり方が丁寧になっているよ!」等、生徒の行動にフォーカスしたものです。そのことによって、生徒の学習意欲を失わせず、次の行動に対する意欲を向上させるように促しているのです。結果は大切ですが、誤解を恐れずに言えばそれは単なる数字です。行動が変われば、結果を単なる数字ではない「成長」に変換することができると、私は確信しています。

個別指導は生徒の行動に注視し、一人ひとりの学習意欲を向上させるのに最適な指導形態なのです。(第一部了)